低反発マットレスと高反発マットレスは、名前だけを見ると「柔らかいか硬いかの違い」と思われがちです。しかし、実際に大きく違うのは、身体を押したあとにどのくらい跳ね返すか、どのように元へ戻るかという反発性です。
低反発は身体の形に沿ってゆっくり戻る性質があり、高反発は反発弾性が高く、圧縮後に復元しやすいのが特徴です。押し返す感触を重視する場合は高反発も比較対象になりますが、寝返りのしやすさや実際の沈み込みは、反発性だけでなく硬さ・厚み・構造などにも左右されます。
低反発と高反発のどっちがいいか迷ったら、反発性だけでなく、硬さ・寝姿勢・体格・沈み込み方まで一緒に見ることが大切です。ここでは、低反発と高反発の違いから、寝返り、横向き寝、腰が気になる場合の考え方、マットレストッパーを使うときの確認点まで比べていきます。
低反発と高反発のマットレスはどっちがいい?
低反発と高反発のどちらが合いやすいかは、求める寝心地によって変わります。まずは「どちらが優れているか」ではなく、今の寝床でフィット感、沈み込み、硬さのどこが気になっているのかを考えると違いを見やすくなります。

重視するポイントで候補が変わる
迷ったら4つのポイントを確認
低反発マットレスと高反発マットレスの違い
低反発と高反発の違いは、単純な硬さではありません。特に分かりやすいのは、手で押して離したあとにどのように元へ戻るかという反発性の違いです。

低反発マットレスと高反発マットレスの違いを比較
| 比較項目 | 低反発マットレス | 高反発マットレス |
|---|---|---|
| 反発性 | 反発弾性率15%程度以下が目安 | 反発弾性率50%以上が目安 |
| 圧縮後の戻り方 | ゆっくり元へ戻る | 復元しやすい |
| 身体への沿い方 | 比較的身体の形に沿いやすい | 実際の沈み方は硬さ・厚み・構造などによって変わる |
| 感温性 | 温度によって硬さが変化しやすい性質がある | 製品・素材によって異なる |
| 硬さとの関係 | 低反発という名称だけでは硬さを決められない | 高反発という名称だけでは硬さを決められない |
低反発と高反発はどっちが向いている?
迷ったときの選び方
高反発は硬い?低反発は柔らかい?硬さと反発性は別
「硬めのマットレスが欲しいから高反発」「柔らかいマットレスが欲しいから低反発」と考えている人もいるかもしれません。しかし、反発性と硬さは別の性質です。「硬質」と「高反発」の違いも同じで、硬質は硬さ、高反発は反発弾性に関係します。

反発性は戻る力、硬さは押し込むのに必要な力
ウレタンフォームの反発弾性は、押されたあとにどの程度跳ね返るかを見る性質です。一方の硬さは、フォームを一定量まで押し込んだときに必要な力を測ります。
ウレタンフォーム工業会でも、硬さと反発弾性は別の物性として示されています。高弾性(高反発)フォームは反発弾性率50%以上、低反発フォームは15%程度以下が目安です。
そのため、高反発という名称だけでは、そのマットレスがどの程度硬いのかまでは判断できません。低反発についても同様で、製品ごとに硬さや厚みは異なります。
高反発と低反発の選び方では、まず反発性の違いを確認し、そのあと硬さを見ると混同しにくくなります。
ウレタンマットレスはニュートンの硬さ表示も確認
家庭用品品質表示法の対象となる一定のウレタンフォームマットレスでは、硬さをニュートン(N)で表示します。
消費者庁のウレタンフォームマットレスの品質表示では、75N未満が「やわらかめ」、75N以上110N未満が「ふつう」、110N以上が「かため」と区分されています。
同じ高反発表記でも、ニュートン値が異なれば硬さも同じとは限りません。「高反発マットレスは何ニュートンがいいか」を考える場合も、数字だけで決めるのではなく、体格や寝姿勢、現在使っているマットレスの硬さと照らし合わせて確認します。
高反発という名称とニュートン表示を別々に見ることが、「高反発だから硬いはず」という思い込みを避けるポイントです。
寝返り・沈み込み・寝姿勢ではどう違う?
反発性だけでは、実際に寝たときの身体の沈み方までは決まりません。硬さ、厚み、構造、体格などによっても変わるため、寝返りや寝姿勢については高反発・低反発だけで一律に判断しないことが大切です。

寝返りは反発性だけでなく沈み込みも見る
高反発フォームは反発弾性が高く、圧縮後に復元しやすいという素材特性があります。一方、低反発フォームは押したあとにゆっくり戻るのが特徴です。
ただし、そこから「高反発マットレスなら寝返りしやすい」と一律には言えません。身体がどこまで沈むかは、反発性だけでなくマットレスの硬さや厚み、構造、使う人の体格などでも変わります。
現在の寝床で身体を動かしにくい感覚がある場合は、反発性だけでなく、沈み込みの大きさも一緒に確認すると違いを見やすくなります。
横向き寝は肩や腰への当たりと沈み込みを確認
横向き寝についても、「低反発のほうが向いている」「高反発のほうが向いている」と反発タイプだけで決めることはできません。
横向きで寝たときは、肩や腰まわりへの当たり方と、身体がどの程度沈んでいるかを確認します。身体への沿いやすさだけでなく、沈み込みが大きすぎないかも合わせて見てください。
2026年のマットレスに関する文献レビューでも、マットレス選びでは体格や好みの寝姿勢などを考慮する必要があるとされています。ただし、このレビューも「横向き寝なら低反発」という特定の反発タイプを推奨したものではありません。
仰向け寝は腰やお尻の沈み込みを確認
仰向けで寝る場合は、腰やお尻まわりがほかの部分より大きく沈んでいないかを見ます。
沈み込みが気になる場合も、すぐに「高反発へ替える」と決めるのではなく、現在のマットレスの硬さや厚みも確認してください。反対に、身体への当たりが強いと感じる場合は、表面の硬さも見直すポイントになります。
寝姿勢については、低反発か高反発かだけで答えを出さず、身体への当たり方と沈み込みを確認するという考え方が基本です。
腰痛が気になるなら低反発と高反発はどっち?
「腰痛には高反発マットレスがいいのか、低反発マットレスがいいのか」と迷う人もいるでしょう。ここでも、反発タイプだけで腰痛への向き不向きを決めることはできません。

高反発を選べば腰にいいとは限らない
2026年7月10日に公表されたマットレスと腰痛などに関する整形外科分野の文献レビューでは、47件の研究が検討され、非常に硬い面や非常に柔らかい面より、中程度の硬さを支持する結果が比較的一貫していたと報告されています。
ただし、研究によって素材、対象者、評価方法などが異なり、特定の「高反発」または「低反発」という商品分類そのものを比較した結論ではありません。
また、慢性の非特異的腰痛がある成人313人を対象とした無作為化比較試験では、硬いマットレスと中程度の硬さのマットレスを比較し、中程度の硬さのマットレスで良好な結果が報告されています。
そのため、腰痛向けに高反発と低反発を比べる場合も、「高反発だから腰痛にいい」「硬いほどよい」とは断定できません。
現在の寝床で何が気になるかを確認する
現在の寝床で沈み込みが大きいと感じる場合は、今より沈みにくい寝心地も比較します。反対に、身体への当たりが強いと感じる場合は、表面の柔らかさも確認します。
ここでも「沈むなら高反発」「硬く感じるなら低反発」と機械的に置き換えるのではなく、反発性、硬さ、厚みなどを分けて確認することが大切です。
腰痛にはさまざまな要因があるため、痛みの原因をマットレスだけで判断しないようにしてください。
マットレストッパーで寝心地を調整するときの確認ポイント
マットレス本体を買い替えず、マットレストッパーで表面の寝心地を変える方法もあります。ただし、「低反発なら柔らかくできる」「高反発なら沈み込みを抑えられる」と一律に考えず、製品ごとの用途や仕様を確認することが大切です。

低反発・高反発だけで用途を決めない
低反発フォームには押したあとゆっくり戻る、高反発フォームには反発弾性が高いという素材特性があります。ただし、トッパーとして重ねたときの寝心地は、素材だけでなく厚みや構造、下にあるマットレスとの組み合わせによっても変わります。
そのため、高反発トッパーを載せれば必ず沈み込みが解消する、低反発トッパーを載せれば必ず身体への当たりがやわらぐ、といった一律の判断は避けます。
商品がどのような寝心地の調整を目的としているのかを、メーカーの商品説明や使用方法で確認してください。
下のマットレスとの組み合わせも確認
トッパーは下にあるマットレスと組み合わせて使うため、土台となる寝具の状態も確認したいところです。
下のマットレスに大きな凹みやへたりがある場合に、トッパーを重ねることでどの程度調整できるかは製品や状態によって異なります。トッパーだけで補えると決めつけず、メーカーが案内している使用条件を確認してください。
低反発と高反発を組み合わせる場合も、自己判断で寝具を何枚も重ねるのではなく、その製品がトッパー用途に対応しているか、どの寝具の上で使えるかを見ると安心です。
低反発マットレスと高反発マットレスの違い・比較まとめ

参考・出典
記事内で確認・参照した主な情報源です。
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確認高弾性(高反発)フォームと低反発フォームの反発弾性率、硬さと反発弾性が別の物性であること、圧縮後の復元特性を確認
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確認低反発フォームの粘弾性、圧縮後にゆっくり復元する性質、反発弾性率、感温性を確認
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確認ウレタンフォームマットレスの硬さ表示について、75N未満「やわらかめ」、75N以上110N未満「ふつう」、110N以上「かため」の区分を確認
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確認47件の研究を対象としたレビューで、中程度の硬さを支持する結果、研究間の異質性、マットレス選びで体格や寝姿勢などを考慮する必要があることを確認
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確認慢性非特異的腰痛の成人313人を対象に、硬いマットレスと中程度の硬さのマットレスを90日間比較した試験内容を確認























